Thursday, May 07, 2009

島崎藤村邸

島崎藤村旧宅です。戦前、大磯に数多く建てられた借家のひとつで、簡素な和風住宅ながら趣深い陰影をつくり出しています。

昭和18年(1943)8月。文豪島崎藤村は「涼しい風だね」と言い残して、この家で亡くなりました。おそらく、建てられてから90年近くも経た木造住宅ですが、苔むして老成した庭と相あまって、よき時代の空気を今に伝えています。

ところが、その藤村邸の前に突如現れたこの公園。旧宅のムードをぶち壊す金網とコンクリート柱でできた無機質な休憩所です。以前、ここにはなんとなく空地があって、建てこんだ昔ながらの住宅地にあって、とてもよいアクセントになっていました。ところが・・・

屋根などはこの有様、コンクリートとスチール製です。ここに鉄橋でも架けるおつもりか?、まったくひどい代物です。10年もすればペンキが剝げ、錆が浮いてみじめな状態になっているでしょう。大磯町は観光客の休憩所にしたかったようですが、私が見た限り藤村邸を訪れる人たちでこの公園に立ち入った人はいませんでした。こんな休憩所でも「おそらく1000万円はかかっている」(造園コンサルタントの知人)といいます。あの「万台こゆるぎの森」の年間賃料と同じぐらいのお金が、この不要な休憩所に支出されるとは・・・。藤村邸の空気や雰囲気を考えてこれを建てたとしたら、救いがたいセンスの町です。

『旧吉田茂邸再建プロジェクト』がどうしても信用できないのは、このばかげた休憩所と背景にあるものが同じだと思えるからです。

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