Thursday, April 23, 2009

「旧吉田邸再建プロジェクト」への疑問

旧吉田茂邸の兜門から内庭への道です。乗用車がそのまま玄関に迎えるようにキャデラックの轍に合わせて線路のような舗装が伸びていました。

さて、この旧吉田邸再建への動きがまた大きくなってきました。
今朝もある大磯町議会議員のものと、地元民主党県議会議員の活動報告チラシが玄関に舞い込んでいました。
その両者ともに「旧吉田邸再建に向かって」「旧吉田邸の早期復元を知事に要請」と書かれていました。
数日前には、大磯駅前でも同様のチラシが配られたようです。
まさに官民あげての再建の大合唱が始まりそうな気配です。

しかし、いずれも「火災で失った」という現実と向き合っているものではありません。
旧吉田邸の火災鎮火後の現場検証は数日かかったと伝えられています。
これはなにを意味するのか、
新聞報道では「漏電か」という記事もありましたが
最終的な火災原因はいまだ発表されていません。
ここにおおきな疑念があると思います。

知人の元消防官に聞くと「漏電の発表されている火災のほとんどが漏電ではなくて過熱が原因」とのことでした。一般に配線などの絶縁が劣化して漏電が発生すると大きな電流が流れて「ブレーカー(ほとんど漏電遮断器つき)が作動するはず」でいきなり発火はしないそうです。
または「配線容量いっぱいの電流が流れると古い器具では過負担となり発火の原因になる、これが過熱」とも話していました。

さて、旧吉田邸の火災はすでに「漏電火災」でかたずけられようとしていますが、本当にほかの可能性は排除できるのでしょうか?
ひとつに、その出火時刻が午前5時台と推測されることです。
仮に「配線過熱」のような電気火災だとすれば、無人だった邸宅内で早朝に「配線容量いっぱいの電流」が流れるでしょうか。
また、出火当日の新聞にすぐさま「漏電」の文字が躍るのも奇妙です。
ちなみに平成20年度の出火原因ランキングのトップは「放火」で12.0%、「電灯・電話の配線」は9位の2.7%です。仮に旧吉田邸火災に放火の可能性があるとすればただちに捜査に入らなければならず、時間がたつほどに証拠はどんどん薄れてゆきます。

繰り返しますが、いまだ火災原因が特定されたと公的に発表されてはいないのです。

にもかかわらず「再建」の大合唱とは誠にみっともない。
対外的にみれば大磯町は、再建派の議員が「大磯らしさの象徴のひとつ」とチラシに書く旧吉田茂邸を灰にしてしまった地元なのですよ。

自分たちが「なにを失ったか」「なぜ燃やしてしまったのか」も検証せずに、
基金だ募金だとはしゃぐ見苦しさに品格の一片もありません。
いったい燃やしてしまった廃墟に、あなたたちはなにを建てたいのか?
「再建・復元」という偽物を有難がれというのか。
どう転んでも現実は「吉田茂邸跡」でしかすぎないのに。
その背景に定額給付金の存在や、景気回復のため大型予算でまたぞろ公共工事への期待も透けて見えてきます。最終的には税金だよりになるのが目に見えている旧吉田邸復元計画は、
燃やしたうえにカネの無心をするがことき、大磯町の恥の上塗りです。

リアリストで知られた吉田茂は、
いい値がつけば自邸の売却すら考えていたようです。
吉田翁はあの世で
「オレのこと、ちっとも判ってねえな」と笑っているでしょう。

火災で無くなったことも歴史のひとつであり、これを機会に吉田茂が
「残したものより、行なったこと」に目を向けるチャンスだと考えます。

4月28日(火曜)朝9時より、大磯町が「旧吉田邸再建基金」を設置するための大磯町議会臨時議会が開催されます。

良識ある町議会議員が、この案を叩き潰すことを期待します。

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