Saturday, April 04, 2009

旧吉田茂邸再建プロジェクトの無意味

またしても町の暴走が始まりました。

3月22日の旧吉田邸火災から13日しか経ていない4月3日、
大磯町は「旧吉田茂邸再建プロジェクト会議」を発足させると発表しました。
旧吉田邸の再建を目指し、その基金を創設するために募金活動を始めるとのことです。

いまだ火災の原因もはっきり特定されず、また火災発生後の初期消火活動の検証もされていないのに、次のハコモノに群がる禿鷹のような醜さで「募金活動」を開始しようとしています。
大磯町はいままで西武鉄道所有の旧吉田邸に対して固定資産税と相殺する形で庭園利用料を西武鉄道に支出してきました。
これは、将来の県立公園化を視野にしたもので、いわば大磯町負担分の公園化計画の参加料というべきものでした。
このように旧吉田邸公園化計画が実質上スタートした後の火災は、漏電であろうと他の理由であろうと町の管理責任も問われるでしょう。
なぜなら、計画のご本尊である吉田邸の防火体制をおろそかにしたまま、やれ城山公園との間に歩道橋を架けるだの、売店を設置するだののプランを描いて踊っていたのだから。

少なくとも今は、火災の原因究明をしたのちに、喪失した吉田茂邸の歴史的価値をきちんと定義した上で、次のプランを時間をかけて決めていくのが責任ある物事の進め方だと思います。
それなのに、ホイホイと「募金で再建」とはあまりに軽い。

大磯町の「旧吉田茂邸再建プロジェクト会議」の面々を見るだに
これを「観光施設」としか見ていないのがはっきりとわかります。
真に価値のある本物を灰にしたまま、その現実を総括しないうちに
レプリカを「募金」という名の他人の金ででっち上げて、自分たちの商売のタネにしようとする。

もし本当に再建の覚悟がおありなら副町長以下、観光協会会長、商工会会長など発起人たちが率先して、
どかんと私財を投じて、基金を作って見せていただきたい。

大磯町は野村証券から町民のためにと寄贈された
「万台こゆるぎの森」をカネに換え
健康増進のためならと寄付された「東町球技場」の売却をはかり
さらに周辺住民の寄贈地を含む町立幼稚園を、保護者の反対を無視して民間委託するなど、寄贈者の善意に泥を塗るような行為を平然と続けています。

今の大磯町に「募金」を募る資格など、まったくないのです。

幸いなことに、大磯町立図書館の2階に、吉田茂の貴重な蔵書が「吉田文庫」として公開されています。
なかにはアメリカのティーン雑誌まであります。これをみていると、彼がアメリカという国を徹底的に分析して、東西冷戦を利用する形でアメリカの腕を縛りあげ、壊滅した日本の復興を果たした老獪な政治家の一端を見るような気がします。
この「吉田文庫」など、残された文献を生かした「知」の分野での吉田茂研究なしに物事を進めても、何の価値もありません。

城跡に偽物の天守閣を建てるような「旧吉田茂邸再建プロジェクト」に、騙されてはいけません。

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