Saturday, February 07, 2009

エコの町の「万台こゆるぎの森」

大磯町のHPより転載します。


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新年明けましておめでとうございます。

今年こそ、よりいっそう元気な大磯になってほしいと願っております。
「エコの町大磯」を目指し、町民の皆様と共に、美しい自然や快適な生活環境を作り、育んでまいります。
また、万台こゆるぎの森の民活も、いよいよ始動します。
観光は、大磯の歴史的・文化的な資源や自然を町内外にPRし、知名度を生かした特産品の紹介など、夢のある観光立町を目指します。
教育は、教育優先の町にふさわしい施策を展開していきます。スポーツにおける健康増進や地域交流も、積極的に応援してまいります。
この一年が皆様にとりまして、明るい希望に満ちた年になりますよう、お祈りいたします。
 
大磯町長  三好正則

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本来ならば、大磯の花鳥風月を愛でるために開設した写真ブログですが
今回は無粋な書類を掲載します。


これは「万台こゆるぎの森」の基本計画書です。

2003年に野村総研から「町民の活用のために」と破格値の2億円で譲ってもらった研修所跡の貴重な森を、これからどのように活用していくべきかを決めたものです。この計画書の作成には、多くの町民たちが参加しました。いわば、町民と行政が共同で作成した計画書です。
その考えは、森を生かした自然公園を皆で作って行こう、というものでした。


基本計画書のなかに記載されている基本計画図です。
極力、現状の森を保全しようとするものです。

長い間放置されていたこの森と施設は、相当に荒れたものでした。
しかし、その時間でしか作り出せない欝蒼とした森は、息を飲むほど見事なものでした。
住民たちの有志はボランディアで草を刈り、竹藪を切りはらい、滑りやすくなった道路のコケを素手ではぎとって、少しづつ公園の形にして行きました。
また、太平洋を見下ろすグラウンドは、少年野球チームの父兄たちが汗を流して見事な野球場に整備しました。
決して、豪華ではないけど、心のこもった豊かな森林公園が徐々に出来上がってきて、ささやかな音楽会や、工作教室、自然観察会なども開催されていました。

ところが、それを待っていたかのように現町長による「民間活用」方針が打ち出され、「万台こゆるぎの森」はあっという間に「国際学園」という見知らぬ学校に50年間も貸し出されることに決まってしまったのです。



これは、国際学園が民間活用の事業者募集のときに、町に提出した計画書です。
「万台こゆるぎの森」のなかに“町民が今までどおりに公園として利用できる”ような学校を作ると称して、そのなかの計画図も比較的に控えめなものでした(グラウンドは人工芝のサッカー場にするとしていますが)

この事業者選定の過程も秘密裏に進められ、町民や町議会にもほとんど説明もなく進んだ民間活用計画でした。そしてその計画は1月30日の「都市計画原案」でとんでもない形で姿を現わしました。ちなみにこれは市街化調整区域で開発が規制されている場所を規制解除して開発を可能にするための「地区計画」の手続きです。

さきほどの2枚の図と比べてください。中央右手の緑地部分がばっさり切られて「寄宿舎」が予定され、核心部の森がずたずたにされようとしています。さらに「都市計画原案」の「建築物の建ぺい率の最高限度」を見て仰天しました。
(画像をクリックすると拡大します)

「10分の4」えっ?、40%も建てちゃっていいの?。ちなみに現状の「万台こゆるぎの森」の建ぺい率は2.3%です。この件に関して1月25日の大磯町保健センターでの説明会では「この種の地区計画では普通は50%、そこを抑えて40%にした」と大磯町都市整備部まちづくり課の役人は言い放ちました。参考までに都市公園法の公園施設の建ぺい率は2%です。本来は森林公園であるこの森を保全しようというのではなく、住宅街のような基準を持ち出して、貸主の大磯町が「どんどん建てなさい」としているも同じです。つまり、国際学園に便宜を図ろうとするだけの地区計画になっていました。

この地にカトリックのマリア修道会がやってきたのが昭和34年(1959)のこと、その時植えたヒマラヤ杉がまさに50年かかって神が宿るような森になりました。国際学園の図面ではここを伐採して寄宿舎にするとしています。
50年後にこの土地が返却され、ふたたびこの森が姿を現すには100年もかかる計算です。
公園にと寄贈された土地をカネに替え、さらに森を伐採する。
後世の人たちは、この行為を「犯罪」と呼ぶでしょう。

野球少年たちは追い出され、広大なグラウンドは不可解な「人工芝サッカー場」で蓋をされてしまいます。
1月25日の役場での説明会では「少年野球は運動公園の野球場があるから、ここはサッカー場でいいと思う」と役人は言いました。
彼は少年野球(リトル・リーグ)は硬式野球であることも知りませんでした。運動公園の野球場は軟式専用なのです(もっといえば、運動公園の野球場はバックスクリーンがないので審判の判定ができず、しかも南西向きなので午後は西日に向かって打席に立つという欠陥球場なのです)。

さらに、人工芝のサッカー場なんて!。
以前、私は「週刊サッカー・ダイジェスト」の記者をしていました。
そのとき取材したJリーグが開設したJヴィレッジ(福島県)では「全国の学校のグラウンドを天然芝にする」(Jリーグ100年構想)という目的で多数の造園技師たちが一生懸命芝の研究をしていました。
それなのに足がむき出しのサッカー選手にとってスライディングするだけで火傷のおそれがある人工芝とは・・。
サッカー少年&少女をもつ親御さんに強く警告します、人工芝は危険です。
百歩譲って、ここに学校ができるとしても行政は貸主として人工芝は認めてはいけません。
ただ管理コストが安いだけの、サッカーに対する愛のない代物です。
ちなみに世界のサッカー場で人工芝は、北朝鮮の金日成競技場だけです。

当事者たちが、誰も真面目にスポーツに向き合っていない状況が浮き上がってきます。

もうひとつ
現在この「万台こゆるぎの森」には公共下水道が来ていません。
国際学園の言うような数百人もの人たちの学校ができると、その糞尿は浄化槽排水として万台の丘に自然浸透され、周辺にある湧水となって田畑に注ぐでしょう。

学校だ、工事だ、道路だ、
これが大磯町長の言う「スポーツにおける健康増進」の「エコの町 大磯」の姿です。